島津製作所 2号大型回路計 TR-11B


ラジオ工房掲示板にて、島津製作所のユニバーサル・テスターの話があり、
ヤフオクに出品されていたジャンク品を入手し、修理・調査してみました。
2号大型回路計TR-11Bです。
本体寸法:W139xH209xD100 [mm]、重量:約1.7kg(電池単一2本含む)
木箱寸法:W210xH234xD136 [mm]、重量:約1.8kg





ゼロ点調整ができず、ネジが空回りするので修理が必要のようです。


残念ながら、取っ手の革バンドはなくなっています。





旧電電公社向けの仕様で、本体には合格マークが捺印されています。



ケースを外すと、内部回路は大変立派で、L型抵抗を個別にネジで固定しています。
このような作りは初めて見ました。仕様書に耐振動要求があったのでしょうか?
抵抗値測定用の電池は、単一電池2個を使っており、金具も頑丈に作られています。
懐かしいナショナルのハイトップで、1970年代の電池が入っていました。



木箱の蓋に貼られている回路図です。現品はオリジナル回路ではなく、校正のため
と思われますが、何か所かに抵抗が追加されています。
ACは1kΩ/Vと普通ですが、DCは20kΩ/Vと高感度です。

メーター部を修理するため、メーターを取り外します。
支柱が1本折れていたので、エポキシで接着しておきます。
また、途中で調整したのでしょう。後付けで抵抗が付いていました。



フロントパネルの裏側です。見事にゼロ点調整部が欠落しており、
ネジしかありません。そのため、テープで固定されていたようです。


写真では分かりにくいですが、アクリル板を加工して小さい釘を付けました。
アクリル板はネジにエポキシ接着剤で固定しています。
これで、釘がゼロ点調整用のスリットに入り、指針の位置を調整できます。



目盛板はこんな感じですが、上部の2か所の穴は何のためか不明です。



メーター単独で通電してみると、途中で指針が止まり、振動を与えると復帰します。
最初は原因が分かりませんでしたが、分解してみて一目瞭然!
目盛の1/3程度のところで、指針のおもり側がケースに接触していました。
繊細な部分なので、慎重に曲げて接触しないようになりました。



メーター感度を測定してみると約46μAでした。仕様は50μAですから-8%です。
メーターの内部抵抗が500Ωなので、4μAを分流させるためには、5,750Ωの
分流抵抗が必要になります。
実機には5kΩ+500Ωの抵抗が後付けされていますので、ほぼ一致しますね。



レンジ切り替えは、2セクションのロータリースイッチになっています。
写真ではよく見えないのですが、赤丸部が接点になっています。
特に接触不良にはなっていませんが、綿棒で軽く清掃しておきました。

【精度確認】
正常に動作するようになったので、測定精度を確認してみました。
このテスターは、傾くとゼロ点もずれてしまうので、都度調整が必要です。



DCは良い精度で測定できますが、ACの各レンジの低電圧領域は精度が悪いです。
ACは目盛が不均等で、低電圧領域では目盛が詰まっているので仕方がないですね。




2025年12月7日 作成


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