【壽電機工業のラジオ用電圧調整器 K-1】


昔は電源事情が悪く、電圧が数十ボルトも低下するのは当たり前の時代がありました。
そんな時に使用するのが、この電圧調整器です。
2005年11月に骨董市で入手したままになっていましたが、内部調査と動作確認をしてみました。
オートトランスと切換スイッチだけの単純なものです。製造年は不明です。


入力電圧は、60V〜100Vまで10Vステップで切り換えます。
定格100V-60W。日本協同ラジオ株式会社取扱となっています。


出力コネクタもベークの質素なものです。


ACソケットは磁器製です。コードは固化して実用できませんが、
使うこともないのでこのままとします。


質素なオートトランスです。錆が酷いのと、鉄心も隙間だらけです。
使うときは分解清掃が必要です。


ロータリースイッチです。何とシャフトも電極になっていました。
ツマミで絶縁されているから問題ありませんが、何とも危険な設計です。


接点部です。半田で丸く盛られているので、使い込むと直ぐに接点が
摩耗するのではと思います。

電圧を確認してみました。
本当は安全上、このまま電源を入れるのは良くないのですが、短時間ということで実験しました。
案の定、トランスは唸るし、だんだんと暖かくなってきます。
相当損失があるようなので短時間で切り上げます。
(安易に真似しないでください。実験は自己責任で。)
入力電圧を下げるのは面倒なので、2次側に100Vを入力し、1次側の電圧を測定しました。

設定  実測値
100V  101.7V
90V   86.5V
80V   73.7V
70V   66.1V
60V   60.1V

2007年1月20日作成

←メニューへ