山水 真空管ステレオアンプ“ファミリア SM-18”その2

山水のステレオ総合アンプSM-18ですが、IFTのネジ固着が解消できたので、
再調整してみました。


先ずはFMの検波コイルです。下側(1次側)が塗料で固着しています。
無理に回そうとして、ネジ頭が欠けてしまいました。塗料部をアルコールに浸けても
ダメです。これが調整できないと、FMの感度に影響するので、困っていると
JH4ABZさんから、半田ごてでネジを加熱する方法を教えていただきました。


早速、試してみたところ大正解!回りました。アドバイスに感謝です。
やるときのコツは、ネジが冷えるまで、ネジを回し続けることです。
冷えると塗料が固まるので、それまで回し続けないと、再び固着してしまいます。
ネジが回るようになったら、金工鋸でネジ頭を溝加工します。


再調整した検波特性です。写真はちょっとボケてしまいましたが、±100kHzは確保。



MW2(AM2)のIFTも同様に上側(2次側)が回らなかったので、同じ処置で問題解消。
ネジ頭の再生も上手くできました。




IFTを再調整しました。上が通常帯域、下がHiFiの広帯域特性です。
HiFi時を聴いた感じでは、少し高域が伸びているかなという程度でした。


もう一つ、調整中に交換したCH2側の6BM8のプレートが何となく赤いことに
気付きました。よく見ると、交換した新品のカソード抵抗も焼けています。
明らかに過電流が流れたことになり、G1にDC電圧が印可された時と同一現象です。
そこで、写真のようにブレッドボード上に回路を組んで、真空管単独でチェック
してみました。
Vp=Vg2=150V, Ip=約35mA, Rk=390Ω, Rg=510kΩにて確認すると、G1=4.4Vでした!
アナログテスターでは負荷抵抗が小さくなるので、マルチメータで測定します。
プレート電圧が印可されていれば、カソードから飛び出した電子は、プレートに
引っ張られてグリッドには流れないはずです。
原因ははっきりしませんが、G1にガスが蒸着したのかもしれませんね。
幸いにも、ラジオ工房さんから6BM8を頂き、無事に復旧できました。

後は、ケースの再塗装が残っています。

2025年10月8日


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