ナショナルER-142

修復第1号の5球スーパーの後、初めて入手した高一の四ペンラジオで、
昭和16年頃のもの(内部に検査票が貼り付けられています)、入手は2003年7月。
オリジナル:UZ-58,UZ-57,UY-47B,KX-12F(検査票による)
入手時  :UY-24S,UY-57S,6Z-P1,KX-12F
となっており、かなり改造されていました。12F以外のソケットも交換されています。
6Z-P1用に、電源トランスの最外周に約4V分の巻き線を追加し、2.5V巻線とシリーズに
接続して6.3Vのヒーター電圧を確保しています(入手時回路参照)。
素人にはできない作業です。
ラジオ工房のアドバイスも頂き、できるだけオリジナルと思われるものに近づけました。
さすがにUY-47Bは入手不可ですので、3Y-P1で代用しています。
ツマミは木製でオリジナルのようです。
後日200Hのチョークも入手しUZ-57の負荷としました。この時代の松下の特長ですが、
+B電源の負側に電源チョークを入れて、電圧降下分を出力管(47B)の固定バイアスにも
用いています。高一で感度も良く、お気に入りのラジオとなりました。(2006年1月)


裏板はありません。左端の太いシールドケースには、検波コイルが入っています。
ピカールで磨いたのでピカピカになっています。電源コードは松下製ですが、
戦後の新しいものがついています。右側面の紙は昭和16年12月の検査票。
開戦直後ですが、まだ物資に余裕があったのでしょうか。
最近のオークションでも出品されていましたが、残念ながら5球に改造されていました。
入手時の回路
修復後の回路
注:回路は拡大して見てください。また、動作を保証するものではありません。


ダイアルはバリコン直結ではなく、糸は交換しました。


シャーシ背面、球は右から12F, 3Y-P1, 58, 57


シャーシ上面、トランスはTYPE PT-3


部品を取り外して清掃したシャーシ。年代のわりには綺麗です。
6Z-P1用のソケットは除去しました。


取り外したCR類。ペーパーコンは液漏れが酷いです。
抵抗も値が増加しているため全て交換。


修復後のシャーシ内部。高一なので、少し配線が複雑です。


角形のペーパーコンは内部を取り出したケースだけのもので、
内部に交換用のケミコンを組み込もうとしましたがあきらめました。
塗装が剥げてしまったのでいじらない方がよかったと反省。


下のトランスは電源チョーク。元々この位置にあったようです。
右端中央の200H低周波チョークは内田ラジオで調達。ボリュームは交換。
本来ならC型がよいのですが、入手できないのでB型で代用。


マグネチックスピーカー。コーン紙も綺麗で程度は良好。


取り外したコイル(左:DET、右:ANT)


アンテナコイル。グリッドへの引き出し線は、周囲に導線を密着捲きにして
シールド線にしています。感心!


検波コイル。1次側は内部に高周波チョークが組み込まれています。
ネジで位置が調整可能。結合コンデンサは、約15pFで板状の特殊なものでした。

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