ナショナル:トランスレス 2バンド5球スーパー E-200
|
デザインが気に入って購入しました。
カラーバリエーションが5色ほどあり、若草色のパネルが綺麗なのですが、
人気があり、なかなか入手しにくいです。
不具合症状としては、真空管は点灯しますが音が出ないというものです。
昭和37発売
真空管構成:12BE6, 12BA6, 12AV6, 30A5, 35W4
(2020年3月入手)
回路図がケース底面に貼り付けられていますが、かなり劣化していて、
一部は剥がれ落ちています。
取り出したシャーシです。
真空管ラジオの最終時期であり、プリント基板が使われています。
IFTは1段目が単同調で裸のコイルになっています。
基板の裏側です。片面基板なので、ジャンパ配線もそれなりにあります。
ナショナルのラジオは、パイロットランプの配線がボロボロに劣化している
ものが多いのですが、本機はまだ使える状態になっていました。
バリコンのゴムが劣化して斜めになっているため、ゴムブッシュを交換する必要があります。
バリコンとフロントパネルが一体で取り外しできます。
おまけに、パネルには調整のための目盛りが刻印されています。
下のラベルにあるとおり、スタートとストップ、600KC/1500KC、4MC/9MCの位置が記されているため、
シャーシを取り出したまま調整ができます。メンテナンス性が抜群によいです。
ケース内側のラベル
手持ちのゴムブッシュを組み合わせて、適当な厚みにします。
電源を入れてみると、真空管のヒーターが点いたり消えたりします。
原因は、ヒューズフォルダの破損でした。爪の片側にクラックが入っており広がっています。
もう一か所、B電源回路の25Ωが断線していました。
この形状の金具は入手できませんので、半田で固めてしまいました。
抵抗は、25Ωがないので24Ωの酸金抵抗で代用します。
安全のためには、0.05μFのオイルコンも交換すべきですが、使用可能レベルなのでこのままとしました。
ボリュームがガリオームになっているのと、ゼロオームにならずに残留抵抗があるため
交換が必要ですが、写真にあるように、プリント基板用に設計したスイッチ付きです。
こんな特殊ボリュームはないので、線材で中継するしかありません。
シャフトはいつも通り延長して対応します。
ボリューム交換後
バンド切替スイッチが接触不良のため、正常に切り替えができません。
仕方がないので、スイッチを取り外して分解清掃するしかありません。かなり汚れていました。
目盛合わせと、トラッキング調整を始めたのですが、調整がどうも変です。
よく見ると、トリマーのマイカが半分欠けているものがありました。
パワートランジスタ取り付け用のマイカを加工して補修します。
なお、IFTは結構ずれていて、双方特性に近い特性になっていました。
ケースを清掃し、シャーシを組み入れて完成です。
←メニューへ