シルバー 真空管ポータブルラジオ DX-300
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シルバー(白砂電機)の真空管ポータブルラジオです。
20年前に動作品ということで入手したまま保管していましたが、
年を取って時間ができたため、引っ張り出して修理することにしました。
交直両用なので、電池がなくとも使用できます。
20年ぶりに開けてビックリ、本当にラジオが聞こえたのだろうかと思うくらい、
状態のよくないラジオでした。
真空管:マツダ1R5(CONV), TEN 1T4(IF), TEN 1S5(DET), マツダ3S4(OUT)
発売日:1955年(昭和30年)頃
入手日:2006年6月
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裏蓋を開けると、電源コードとクリスタルイヤホンが入っていました。
真空管ポータブルラジオ共通ですが、内部の部品が込み入っていて
毎回修理泣かせです。
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裏蓋に回路図がありますが、小さくて読みにくいので、写真に撮って
拡大印刷すると何とか定数も読めるようになりました。
英語表記なので、輸出兼用を考えたようです。周波数も上が1,650KCと
国内よりも高い周波数までカバーしています。
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このクリスタルイヤホンですが、なんと生きていました!
通常はロッシェル塩が劣化して鳴らないので、とても貴重です。
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シャーシを取り出しました。表側は綺麗に見えますが・・・
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部品側はこんな感じです。右下にAC100V用のセレン整流器があります。
ACラインの茶色いペーパーコンデンサが破裂しています。この状態で
AC100Vをつないだとすると、何とも危険な行為です。
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AC入力部を開けると、全体的に泥汚れのようなものが酷いです。
特にスピーカー部分を見るとよく分かります。
中央上は、AC/DCの切替SW、スライドスイッチはスピーカーとイヤホンの
切替SWです。いずれも接触がよくありません。
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スピーカーとイヤホンの切替スイッチですが、分解すると接点の酸化や
ばねの錆があります。清掃して接触不良は解消しました。
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AC/DCの切替はACプラグを差し込むことによって、ロータリースイッチを
回転させる仕組みです。肝心のACラインが接触不良のため、取外しました。
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赤丸がAC用の接点ですが、清掃しても接触抵抗が3Ω以下になりません。
幸いにも、その上の接点が空いていたので移動しました。
それ以外は、接点洗浄剤で問題ないようです。
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電源スイッチ付きのボリュームは、スイッチの接触不良とボリュームの
ガリがあるため、分解清掃で復活しました。固定がネジではなく、ツメなので
代替部品がなく、これが修理できないと一大事でした。
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真空管ソケット周辺やバリコンにもかなり錆があります。
ここも、ある程度清掃しておきますが、ソケットの接触不良が心配です。
ソケットはカシメ固定タイプなので、交換は見送りました。
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バリコンの錆が酷いので、分解清掃しました。これ、結構大変です。
ローターの出し入れとベアリングボールの関係を上手く考えないと
入れるときに苦労します。
ブロックケミコンは、変形していますが、耐電圧、漏れ電流とも正常でした。
全体の汚れがひどいのですが、このケミコンは難を逃れたようです。
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CR類を集約した端子基板です。茶色のペーパーコンデンサはすべて交換、
ソリッド抵抗は+20%以上抵抗値が大きくなっているものは交換します。
とにかく、基板が汚れているので、一旦部品を外して清掃です。
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出力トランスは幸いにも断線していませんでした。これが断線すると、
サイズ的に代替がきかないので、巻き直すしかありません。
ただ、ご覧のように錆がひどいので、一旦鉄心を分解して錆取りします。
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修理できたスイッチ類を元の場所に配線していきます。
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真空管はJI-177Cで試験した結果、すべて使用可能でした。
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電源を入れて、各種電圧が正常なのを確認しましたが、受信できません。
低周波回路が生きていることは確認できましたので、高周波段がダメな
ようです。ノイズも出ないので、発振回路を追っていくと、OSCコイルが
断線していました。拡大鏡で見ないと判別できません。
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IFTの初期特性です。かなりずれているようです。
(マーカーは455kHz±10kHz)
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調整後のIFT特性です。
この後、目盛り合わせと、トラッキング調整をして完成です。
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交換した部品一式です。茶色の部品はペーパーコンデンサです。
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ケースも丸洗いして綺麗になりました。
アンテナ端子は、フェライトバーに2ターンの結合コイルを巻いておきました。
懸念したとおり、真空管ソケットの接点不良が完全には解消出来ませんでした。
一応、作業はここまでとしておきます。
それにしても、NHK第2放送が終了したため、日中のAM放送は静かになりました。
2026年4月12日

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