クラウン480


ナショナル四ペンに続き入手した、戦前のクラウン(日本精器)並四ラジオです。
昭和12年の一般的な並四です。内部はかなり修理されており、電源チョークは抵抗に、
1:3低周波トランスも使われていたはずですがCRに交換されていました。ツマミは内側に
CROWNのマークがありオリジナルのようです。
入手は2003年10月。
オリジナル:UY-24B, UX-26B, UX-12A, KX-12B
入手時  :UY-56, UX-26B, UX-12A, KX-12B

検波管が三極管UY-56に交換されていました。24Bはなかなか入手できないので、
手持ちの五極管UY-57Sで代用しました。ピンコンパチで差し替え可能です。
ヒーター電流が1.75Aから1Aに少なくなります。
実は、26Bは修復中の失敗により使用不能となってしまいました。26Bも12AもUXソケットで
4ピンなので、間違って12Aの場所に26Bを挿入してしまったのです。電源を入れた瞬間、
フィラメントが煌々と灯ったので、何と綺麗なのかと一瞬見とれてしまいました。
気がついて電源を切ったときには手遅れで、エミ減が激しくおシャカとなった次第です。
もっとも、最初にどれくらいの性能だったのかは不明ですが、皆さんも差し間違いにご注意を。

26Bも大量に使われていたわりには入手性が良くなく、結局アメリカから26を輸入しました。
サイズが少し大きいので注意が必要です。何本かまとめると送料が節約できます。
国産球は価格高騰が激しく、オークションでもかなりの値段になってしまいます。

低周波トランスは、オリジナルがどの様に取りつけられていたのか不明なため、
一応シャーシ上面に30Hのチョークを、内側に1:3のトランスを追加しました。
マグネチックスピーカーのフレームは、紙を固めたものを銀色に塗装したもので、
戦時中の物資がないときに交換されたようです。
(2006年1月)



入手時の回路
修復後の回路

注:回路は拡大して見てください。また、動作を保証するものではありません。


入手時正面。ケースは案外綺麗です。


入手時背面、裏板はオリジナルのようです。


入手時内部、球は左から56, 26B, 12A, 12B


スピーカは交換されている。物資難時代に製作された紙フレーム。


ダイアル内部のゴムパッキンが延びきっており、一旦は修正したが、また垂れてきた。


シャーシ内部。かなり修理されており、ブリキの角形ペーパーコンは2, 2, 1, 1, 1μF。
CH, AFTがありません。


シャーシの錆がかなり酷い。錆止めはするが再塗装はしないことにしています。


同調バリコンの取りつけゴムは用をなしていないので、水道のパッキン(半透明)で代用。
本来はゴムブッシュを使わないといけません。


バイアス抵抗は、リード状で角形ペーパーコンのケースに付いています(左上)。
1本は生きていましたが、念のため交換しました。


修復後。コイルは巻線がばらけかけていたので、清掃後高周波ワニスで固定。


26が一回り大きい。12Bの後ろに30HのCHがある。


修復後のシャーシ内部。オリジナルの角形ペーパーコンは未使用。
中央は1:3の低周波トランス。

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